首が重く、疲れがすぐに首にくる
30代・女性・離職中
♦来院時の症状♦
左側の首と頭の付け根(後頭部の下)から下にかけて重く、頭が左右に回りづらい。動いていた後、じっとしていると痛みが強くなる。身体を動かしていないときは、筋肉のはりは感じるが、それ程、痛みは感じない。スキーをしているときは、徐々に服の重さが気になってくる。首の痛みでつらいときは、マッサージを受けるとその日だけ楽になる。また、首を温めた時も一時的に楽になる。
以前は、介護職だったが、半年前に首の症状がつらくて仕事を辞めた。仕事をしていた時は、左側の首のところが、頭の付け根から下に痛みが下りてきた。仕事中は、忙しいため痛みを忘れているが、休憩中になると、首の痛みが気になっていた。じっとしていると筋肉がはったような痛みで、意識しても首の力をぬくことができなかった。常に、首から肩にかけて、鎧を背負っている感じがしていた。
♦検査結果♦
立位で、左肩が右肩に比べ高く、頭と両肩が前方に突出していたため、頚胸移行部∗に負担がかかる姿勢であった。また、左肩が右肩に比べより前方に突き出ていた。脊柱は、上部頸椎と上部・中部胸椎の機能異常が見られ、左肩甲骨の内側の筋(菱形筋・中部僧帽筋)、左右肩甲骨の内下方の筋(下部僧帽筋)の機能低下により、左肩甲骨上内側から頚部にかけての筋肉(肩甲挙筋)に痛みを起こしていた。
♦施術内容♦
脊柱全体の緊張を緩和した後、上部頸椎と上部・中部胸椎に対して機能が改善するように矯正を行った。その後、左菱形筋・中部僧帽筋、左右下部僧帽筋の機能低下が改善するように施術を行った。施術後、左肩甲挙筋に痛みが残り、その筋に圧痛が確認されたため、圧痛を軽減するように施術を行った。
♦経過報告♦
2回目(4日後)来院時、頸部の痛みは軽減し、3回目(2回目から5日後)の来院時、初回時の症状は、完全になくなっていたが、左肩甲骨周辺に別の症状が出現した。徐々に施術期間を空けて行き、6回目(初回来院時から7週間後)の来院時には、介護の仕事に復帰できるまでに回復した。現在は、頸部のエクササイズと併用しながら、月に1回を目安に、症状に合わせて身体のメンテナンスのために来院を続けている。
♦担当者コメント♦
3年前にも一度、介護の仕事について、3~4ヶ月後に首が重く、回らなくなってしまい、仕事を退職されていました。今回、2回目の退職後、当センターに来院されました。今では、介護職に無事復帰し、当センターでの身体のメンテナンスと家庭でのエクササイズを併用することによって、仕事中も以前の症状のひどかったときよりは、全然楽になったようです。
∗頚胸移行部:頸椎から胸椎の変わる背骨の場所のこと。