国際基準のカイロってなに?

カイロ学位多くの人は、風邪、腹痛、頭痛などのとき、とりあえず、近くの病院に行くのではないでしょうか?
では、腰痛、首痛などで、カイロプラクティック、整体などに行きたいと思った時は、どうしますか?
その際、家の近くにある治療院に行こうとはせず、まずは、知り合いに評判の良い治療院を聞いてみるのではないかと思います。
なぜ、このような違いがあるのでしょうか?それは、カイロが日本で法制化されていないからではないでしょうか?
病院(医者)は、法制化されています。最低基準が決まっていることで、みんなが安心して行けるのです。
では、世界でのカイロプラクティックの現状はどうでしょうか?
現在、世界34の国々で、法制化されています。世界の多くの国では、安全にカイロプラクティックが受けられるように、高いレベルで、最低基準が決められているのです。
ここでは、カイロプラクティックの国際基準(最低基準)とその必要性について説明していきます。

カイロの国際基準 ~WHOも認めるカイロプラクティック~

WHO(世界保健機関)が、カイロプラクティックが科学的で、その業務に公益性があるとして、カイロプラクティックの世界代表団体であるWFC(世界カイロプラクティック連合)を正式メンバーとして認めています。
WFCには、世界各国のカイロプラクティック代表団体(原則として、各国1団体)が所属しています。
世界では、WFCの決定事項が、カイロプラクティックの国際基準となっています。
現在、WFCには、世界80カ国が加盟し、その中の、34の国々では、WFCの国際基準にのっとって法制化されています。

WFCの目的とは

WFCでは、科学的研究、教育、法制化で各国が情報交換を行い、カイロの基準や職業としての独自性を守る事を目的としています。
総会は2年ごとに行われます。
総会のない年には世界7つの地区から選出された役員による役員会が開かれます。
常に、話し合いの場を持ち統一しているのです。

国際基準の内容とは

2001年WFCパリ総会において、世界では“カイロプラクター※1、カイロプラクティック”という名称の使用について、国際基準を満たしている“治療者、学校、治療院”に限定しています。
言い換えれば、数週間の短期講習や2年間のカイロプラクティック学校などは、カイロプラクティックという名称を使うことを認められていません。
また、そのような教育しか受けていない人も、カイロプラクティック、カイロプラクターという名称を使うことを認められていないのです。

上記については、「WFC政策宣言」※2と言われています。

※1 カイロプラクターとは、カイロプラクティック治療を行う人のこと
※2 この宣言には、法律的な拘束力はありません。

世界のカイロプラクティック大学教育とは

世界のカイロプラクティック大学の国際教育基準は、全日制4~5年間、最低4200時間の専門教育となっています。
わかりやすく日本の大学教育で比較すると、教育内容、時間数ともに、医学部と同等程度であります。
また、4200時間の約半分を基礎医学が占めています。
教育の目的が、カイロプラクターとして、広くヘルスケアシステムの中で判断、治療、相談を含めたお客様のケアや、必要とあれば他の専門家に紹介できることであるためです。
カイロプラクティックが法制化されている国々では、国際基準の教育を受けることで、安全で質の高い治療を行うことができるのです。
そして、アメリカ、オーストラリアなどのカイロプラクティック先進国では、医者とカイロプラクターが常に連携を取り合って、国民の健康に関与しています。

日本では、法律がなく、多くのカイロプラクターが、国際基準の教育を受けていないのが現状です。(カイロプラクティックと名乗っている先生の中で、正規な教育を受けているのは、全体の約1%であると言われています。)

日本での治療に対する安全性の問題は、日本のカイロプラクティック教育にあるのです。

CCEがカイロプラクティック大学の質を保証

世界のカイロプラクティック大学の教育は、CCE(カイロプラクティック教育審議会)と呼ばれる第3者機関によって、定期的に監視され、質の保証の認定を受けています。
現在、CCEは世界4つの地域(アメリカ、カナダ、欧州、太平洋州)にあります。
日本のCCEは太平洋州に属しています。
一般的にいわれる「国際基準の教育」とはCCE基準に満たしているか申請できるレベルの教育をいいます。

各国のカイロプラクティックに関する調査研究と結果

法 制化された国々では、国民にカイロプラクティックの治療効果が認められ、国民の声が政府を動かしています。その際、多方面の学識経験者(その中には医者、 カイロプラクターも含まれる)によるカイロプラクティックに関する調査研究と報告で有効性が認められ法制化されています。

当センターが考える国際基準の必要性とは ~地域に信頼できるカイロ治療院があるという安心~

皆さんは、急に腰が痛くなり動けなくなったとき、どうしますか?
ほとんどの人は、最初に病院に行くでしょう。
病院では、必ず、必要に応じて検査し、病理的な要素(泌尿器系を含む内蔵の諸問題、感染症、腫瘍など)がないかを確認します。
私たちがカイロプラクティック治療を行うときは、危険な要素が取り除かれているので、大きな問題とはなりません。
しかし、法制化されたアメリカ、オーストラリアなどのカイロプラクティック先進国では、どうでしょうか?
腰痛になったとき、最初にカイロプラクティック治療院に訪れるケースが多くなります。
その際、初回は、必ず、病理的な要素(泌尿器系を含む内蔵の諸問題、感染症、腫瘍など)も視野に入れて考えなければなりません。
このため、国際基準の教育が必要となるのです。

次に、私が、国際基準の教育を受けたことで、大変感謝したことがあります。
それは、当センターのお客様で、急に、肩の痛みを訴えて、来院された方がいました。
その時、私は、問診、検査と行った後、次のように、説明しました。
「循環器、特に心臓の問題が考えられますので、なるべく早く、循環器の病院に行って検査してみてください。」と・・・
その後、お客様からの電話で、「先生に、あの時、病院に行った方が良いと言われたので、行ってみたら、急性心筋梗塞と診断され、すぐに手術をしました。」と報告を受けました。
私が、正しい判断をすることができたことで、その方には、大きな利益をもたらしたのです。
日本でカイロプラクティックが普及していけば、カイロプラクティック治療の適応か否かを判断しなくてはならないケースが増えてくるでしょう。
私たちは、常に、いろいろなケースを想定して、お客様の健康を守らなくてはなりません。
今後、カイロプラクティックの国際基準の教育は必要になってくるでしょう。

当センターでは、日本で法制化される際、WFCの国際基準で決められることが望ましいと考えています。
そうなることは、皆さんに“地域に信頼できるカイロプラクティック治療院があるという安心”を与えるとこができると考えているからです。